進化ロボット研究室

「ソフトコンピューティング手法を用いた知能ロボットの協調行動・進化学習・感情表現に関する研究」

本研究室ではソフトコンピューティング手法(ファジィ理論、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム、カオス理論など) を知能ロボットに適用することにより、シミュレーションおよび実験を通じて進化学習・協調行動・感情表現などの 有効なアルゴリズムの構築を行なうことを主な研究目標としています。 特に「人間にとって親しみのある」「人間に似た優れた適応能力をもつ」進化したロボットの研究開発を目標としています。

現在、以下のような研究を進めており、国内や海外の学会発表を積極的に行っています。


  • 自律分散型サッカーロボット(RoboCup中型ロボットリーグ)の階層型ファジィ行動制御
  • マルチ全方位ビジョンシステム(MOVIS)による高精度自己位置同定手法
  • マルチエージェントロボットのファジィ状態分割型強化学習法(FPS)
  • ファジィ適応型探索並列遺伝的アルゴリズム(FASPGA)による高効率進化アルゴリズム
  • 神経修飾物質系(脳内物質)に基づく生物型ロボットの感情行動生成実験
  • 大規模カオスを用いたインタラクティブサウンド生成システム(ICAS)の構築
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例えば、サッカーロボットにおいては、パス・ドリブル・シュートなどの集団協調制御、マルチロボット間のコミュニケーション、 物体認識のためのロボットビジョンなどの数多くの要素技術が要求されます。これらをファジィ理論などの ソフトコンピューティング手法を適用して開発することにより、「人間に似た優れた適応能力をもつ」 ロボットの製作を目標としています。

またこのような動的で複雑なマルチエージェント環境において、 全周をリアルタイムで高精度の位置計測や自己位置同定を行なうマルチ全方位ビジョンシステム(MOVIS)や ロボットに自分自身で自律学習を行なわせるためのファジィ状態分割型強化学習法(FPS)などの基礎となる要素技術研究も 同時に行なっています。

さらに生物型ロボットを用いて、多彩な感情を表現する感性の研究も行っています。 この研究ではロボットにいかに生物らしさを与えるかがキーポイン トとなり、神経修飾物質系に基づく強化学習ラバン理論による身体動作解析を用いることにより「人間にとって親しみのある」 ヒューマンフレンドリロボットの構築を目指しています。

このほか生物の淘汰交配メカニズムの模擬手法として 知られている遺伝的アルゴリズム (GA)の進化の高速化と解の高質化をともに実現するファジィ適応型探索並列遺伝的アルゴリズム(FASPGA)、あらゆる自然界に存在する揺らぎを利用するカオスを 複数組み合わせた大規模カオスを用いたサウンド生成支援のためのインタラクティブサウンド生成システム(ICAS)、 などの進化アルゴリズムや人工生命研究にも挑戦しています。